♦『行動観察』試験の形式
各学校によってその行われ方はさまざまですが、おおまかに次の3つに分類されるでしょう。
■子どもたちで共同作業する形式
数人のグループで目標達成のために一緒に考え力を合わせて創作をする。
-集団制作のとき材料がたくさんあっても、ハサミが1つしか用意されていないパターン
この時に誰がはさみを使うかは黙っていたのでは、制作が進みません。使いたい人がたくさんいる時は、どのような順番で使うか、という事を提案しなくてはなりません。黙って早い者勝ちにしてしまい、喧嘩をしてしまうのはよくないことは当然です。その場のみんなの気持ちを察して、「みんな使いたい?では、1つ切ったら次の人に回そうか?」などと話せたらどうでしょう。みんなが賛成して、「はいどう ぞ」「お先に」などと話せるかもしれません。その時に、誰とも話さないし、制作にも加われない子供はいうまでもなく、不合格です。
-提示された遊具で、決まりごとがありそのお約束を守り遊ぶパターン
決まりごとだけは守れるけど、楽しそうに遊びに入っていない子供もいます。表情が生き生きしていない子供は一目で分かります。ましてや、お行儀の悪さやおも ちゃの取り合いは、減点あるいは失格です。一緒の場所にいて、喧嘩もせずにそれぞれおもちゃで遊んでいてもお友達と関われないと評価は低くなってしまいま す。声をかけても、そこから楽しい遊びの展開がないと話すこともなく意欲がなくなります。
■ チームに分かれ競争する形式
2つまたは複数のチームに分かれ、運動やゲームなどを競う。
自分のチームを応援する事はもちろんですが、応援の仕方が問題。相手をけなすような声のかけ方は、あまり感心できませんね。また「もっと早くしてよ」「あなたが遅いから」などと言っては、意欲があり勝つために頑張ったとしてもその一言で吹き飛んでしまいます。
子供をよく見る学校では一目瞭然で良い子とそうでない子を見分けてしまいます。
■ 先生などと一緒に活動する形式
先生の指示のもとに遊んだり歌ったりゲームをしたりする。時には在校生も加わる。
♦試験時の大事なポイント
こうして見ていくと、「行動観察」の試験時に外してはならないポイントは4つに集約できるでしょう。
1)ルールを理解する
先生の指示をよく理解し、それに沿った行動ができることが第一前提となります。
2)楽しく取り組む
グループでお友だちと一緒に行動するので、協調性をもって和やかにお友だちと接する姿勢が求められます。
3)リーダーシップを発揮する
みんなで一つの作品を作る場合、それぞれのお友だちの意見をまとめ、ひとつの目標にみんなをリードする役目ができることも大切です。倍率の高い学校では特にこの能力が合格の決め手となるでしょう。
4)お友だちを思いやる気持ちを持つ
ほかのお友だちは一緒に楽しんでいるか目配りをできる余裕と優しさを示せることも和をもたらす貴重な要素として評価されます。